FA電気設計ノート blog



2008年6月 1日

■ サーボアンプのメッセージが消える!

皆さんもご存じの通り電気機器は、表示器により数値LEDや液晶で正常なのか故障なのか
機器の状態を知る事ができます。


今回の制御では、ACサーボを用いて位置制御をします。
従って、サーボアンプを使用する事になります。
サーボアンプも同様で、数値LEDでサーボアンプの状態が分かります。
正常であれば、正常なコードを数値LEDで表示され、
故障であれば、故障のコードが数値LEDで表示され、
サーボアンプからメッセージが表示されます。


そこで、サーボアンプを立ち上げで、電源をオンしたところ、
な、なんとサーボアンプのメッセージが表示しないで消えているです。
サーボアンプのメッセージが消えたのです!!


暫くの間、何が起きたのか分からず頭が真っ白になり茫然としました。
電源オンしても電源が入らないのです。

気を取り直して、電源オン!
やはり症状は、同じです。


暫く、当たり一面どんよりとした冷たい空気がながれました。


この場を打開する為に、電源オン!
メッセージは、消えたままです。


メーカの技術相談に電話をして確認したところ
「考えられません。」
と予想していた回答が返ってきました。


冒頭でも書いたように
普通であれば、数値LEDの表示から正常か故障かを判断して
故障であれば原因究明にあてます。

例えば、
数値LEDが、「18」と表示すれば過負荷異常というふうに分かり、
過負荷の原因を解除して故障を復帰します。


方針が立たない状態なので、休憩する事にしました。
頭をリセットするのも大切です。


休憩後、気を取り直して、
何度か、繰り返して電源をオン,オフしてメッセージを確認したところ
何か一瞬表示しているのに気がつきました。


正常なメッセージを表示して直ぐに電源がオフになっていました。


少し、好転の兆しが!!


ここで、原因がハードの問題かソフト問題か整理して原因を究明していきます。
何分検討がつかないので、まず、ソフトから原因の究明をしていきます。


ソフトと言ってもまだ実際に動作する前なのでパラメータをチェックする事にしました。
すると今回の制御は、絶対値制御なのに相対値制御になっていたので絶対値制御の設定に変更しました。


再び、電源オンをしました。
相変わらず状況は、同じです。
メッセージは、直ぐに消えます。


他に原因があるか捜しましたが、
ソフトは、大丈夫そうなので
次に、ハードチェックをする事にしました。

サーボモータの電源ケーブルを外して
再び、電源オン!


同様に、メッセージは、直ぐに消えます。
このことから電源ケーブルは、大丈夫です。

当たりが暗くなっていて時間が遅くなったのに気がつきました。
集中しているとあっという間に時間がたってしまいます。
幸いな事に日程は、明日もあるので明日行う事になりました。


帰り際に、本日やった事を振り返りました。
何分、原因を考えるも初めての経験なので検討がつかず、とにかく寝る事にしました。
明日に鋭気を復活させる為に、こういう時は、寝るのが一番です。

翌日、一夜あけて何か変化があればと思いつつ
朝から一発目の、電源オン!
相変わらずメッセージが消えたままでした。
何か変わるかもと思って甘い考えここで終わりました。


気を取り直して取説を読み直します。
どこを読んでいいのか検討がつかず
ただページをめくるのみ空しい時間が過ぎました。


回路図を眺めます。
電源が入らないからどこかサーボアンプの電源回路が、おかしいのではないでしょうか?
回路図を追ってみても電源回路は大丈夫です。


今回の1次側の電源は、AC200Vです。
テスターで、電源確認しますが、AC200Vを指しているので大丈夫です。
回路図を今一度チェックしますが、図面通りで問題ありません。


ここで、光明がさしてきました。


電源にかかわるところではないのですが、ブレーキ回路がありました。
回路図は、大丈夫そうです。

実際に配線されているところをチェックをしました。
な、なんと!!
ブレーキ電源用のパワーリレーで、コイルのDC24V極性が
+,-逆に配線されていました。

「ここだ!!」と思わず心の中で叫びました。


COMは、普通-を指しますが、この場合は、+でした。
誤解を招く箇所です。
従って、パワーリレーのコイルNo.を記入すると間違いありません。
回路図には、端子番号も記入すると良いでしょう。


パワーリレーをソケットから取り出して
再び電源オン!
やっと正常なメッセージが表示しました。


今度は、本当に電源オンです。
{やった!!」と思わず心の中で叫びました。
感謝の気持ちで一杯です。


ブレーキを解除する時に、おこっていました。
原因は、ブレーキ回路にありました。
分かれば、なんてことはないのですが、
今までにない経験でも落ち着いて対応すれば、大丈夫です。

配線を直して手動チェックし自動運転へ移行し
お陰様で、工程通り期間中に無事終了しました。


めでたしめでたし。






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