FA電気設計ノート blog



2007年6月27日

■ 慣性モーメント比の設定

慣性モーメントとは、回転体における回りにくさを表す指標です。
慣性モーメントが大きいと回りのがむづかしく、小さいと回り易くなります。


フィギュアスケートの選手が、ターンをするのは見ていても綺麗ですが、
手を広げると回転が遅くなり、両腕を胸元に縮めたり、手を上に上げて回ると回転が速くなります。


これが、慣性モーメントから説明すると、
手を広げると回転が遅くなるのは、慣性モーメントが大きいからで
両腕を胸元に縮めたり、手を上に上げて回ると回転が速くなるのは、慣性モーメントが小さいからとなるのです。


但し、一度回転すると慣性モーメントが大きいと回り続けますが、
小さいと直ぐに止まってします。


従って、慣性モーメントが大きいとなかなか回りにくいですが、
一度回り出すと回り続ける性質があります。
慣性モーメントが小さいと簡単に回りますが、止まり安い性質があります。


フィギュアスケートの選手が、両腕を胸元に縮めたり、手を上に上げて速く回って止まるのは
このあたりから説明できるのではないでしょうか。


サーボパラメータで、負荷慣性モーメント比が大きいと
応答性が悪くなります。場合によっては振動を起こしたりします。


また、小過ぎても良いといものではありません。
たまに止まってしまいます。


通常、問題無く動作しているのですが、何かの拍子で動かなくなります。
立上当初は、ノイズの影響かと考えていましたが、サーボパラメータを見直して
分かりました。慣性モーメント比が小さ過ぎていました。


メカ設計からモータ軸換算負荷慣性モーメントの値とACサーボモータのメーカカタログから
サーボモータのロータ慣性モーメントの値から計算しました。
計算式は、下記の通りです。


M=JL/JM


  M:負荷慣性モーメント比
 JL:モータ軸換算負荷慣性モーメント
 JM:サーボモータのロータ慣性モーメント


今、思うとオートチューニングの機能が各メーカあるので一度実行していれば良かった
と反省しています。
オートチューニングできる条件があるので、できない場合はあきらめるしかありません。


時間があればの話ですが、
計算値とオートチューニングを2通りをためすと間違い無いでしょう。


タクトタイムを上げる為や、機敏な動きをさせるためには、応答性を良くするために
慣性モーメントが、大きいと対応できなくなります。
なるべく小さい値にする事をお勧めします。





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