電気に携わって30年、FA(Factory Automation)における 電気設計 おこなっています。 電気設計 に携わっている皆様に 分かり易さをモットーに日々の体験談を交えながら 安心・安全で敏速な 電気設計 を実現して 頂く事を目的としております。 皆様のノート代わりにして拝見して頂ければ幸いと存じます。 |
■ 布線表 の設計
布線表 は、最後の方に設計する事になります。展開接続図 が完成してからになります。
布線表 は、ケーブルの種類,長さ,端末の処理の方法が描かれています。
盤外に行くケーブルを結線する為に使用します。
電気工事をする時に
ケーブル番号を付ける事によってどこにケーブルを配線するのかがわかるようにします。
展開接続図 と 布線表 ですみ分けが必要になります。
展開接続図 には、ケーブルの電線色を記載しませんが、実際配線するので電線色が必要になります。
動力の場合、VCTケーブルであれば、R,S,T,Eで赤,白,黒,緑と決めれば大丈夫です。
センサの場合は、直流電源の場合、プラスが茶,マイナスが青,信号線が黒になります。
ケーブル図が無い場合は、展開接続図 だけで配線を行うので電線色が必要になります。
布線表 を設計する場合は、機械図面が必要です。
どこを配線して行くか配線ルートは、機械屋さんと打ち合わせて決めます。
直線距離でケーブルの長さを決めるのは、危険です。
配線する為に余裕が必要です。
短いと足したりします。
従って2割の余裕を持たせてケーブルを長さを決めます。
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■ 電力の[VA]と[W]
FA機器のカタログを見ると電力の場合にVA(ボルトアンペア)またはW(ワット)の単位で記載されています。
どちらも電力の単位です。
違いとなるとまず直流と交流により
直流の場合
電力[W]=電圧[V]×電流[A]
の関係式が成り立ちますが、
交流の場合、直流のように一定でなく周期的に変化をしています。
このことから電圧と電流の積で負荷がすべて消費されるわけではありません。
皮相電力,有効電力,無効電力の3つがあります。
皮相電力は、機器の電気容量を表し、見かけの電力を表します。
電力[VA]=交流電圧の実効値[V]×交流電流の実効値[A]
となります。
有効電力は、皮相電力のうち負荷で消費される電力、すなわち実際に仕事をする電力です。
電力[W]=電圧[V]×電流[A] ×力率(cosφ)
となります。
無効電力は、皮相電力のうち消費に寄与しない電力で、無駄な電力となります。
電力[var]=電圧[V]×電流[A] ×無効率(sinφ)
となります。
これら3つの電力は、それぞれ
皮相電力^2=有効電力^2+無効電力^2
の関係が成り立ちます。
皮相電力でカタログに記載されている場合は、
有効電力[W]=皮相電力[VA]×力率(cosφ)
で直す必要があります。
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■ 端子台の設置
端子台は、必要最小限に設置するのが理想です。
それで必要な箇所とは、動力が外部に行くときに必要です。
動力で外部に行く時は、モータであったり、別の盤で操作盤であったりします。
機器の端子が、あれば渡る事ができるので端子台が必要なくなりますが、
コネクタの場合は、渡る事ができないので端子台が必要になります。
信号線の場合は、一対一になり必ず必要になります、コネクタ変更して減らす事ができます。
新規で設計する場合や、改造する場合も、端子台の数は、最小限に止める工夫をしましょう。
改造分は、考慮する必要があります。
新規設計する場合に予備として端子台を設けると良いでしょう。
およその検討で、2割が普通です。
但し、端子台の数が少ない時、数が多い時には、注意が必要です。
3個の2割だと3.6個で4個にしますが、物足り無い様な気がします。
5個にするのも良いかもしれません。
100個の2割だと20個になってしますので、多すぎのような気がします。
100個あれば、10個程度で良いのではないでしょうか?
お客様によっても判断ができます。
ここのお客様は、改造が多いので少し多めに予備端子をつけておくのが良いかもしれません。
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■ 人間工学を考慮した実装設計
学校で人間工学を履修したことがあります。
初めての講義で、
先生みづから学生の前に立って、
右手を上げると、自然と左腕が下がります。
「これが、人間工学だ!」
いまだに覚えていることです。
おかしいわけでもなかったのですが、そんなことで人間工学が成り立つことが不思議でした。
要するに、自分も人間なので、自分を基準にして良いということです。
身長が、160[cm]とすると
制御盤にブレーカのハンドルを取り付ける場合には、
手を若干上げても大丈夫な高さだとおよそ160[cm] となります。
皆さんも自分を基準に考えてみてはどうでしょうか。
身長が、170[cm]の人だとちょっと低いかななんて言ってもいいじゃないですか。
但し、お客様の仕様にあったものでなければいけません。
そこのところは気をつけましょう。
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■ 盤発熱計算
1.制御盤内の推定総発熱量を求めます。
盤用熱関連機器技術研究会技術資料を参考にしある程度の目安になります。
正確な発熱量を求めるには、メーカに問い合わせると良いかもしれません。
部品表から欄外にでも各機器の調べた発熱量を記入していき
総発熱量を電卓で計算するのが、手っ取り速いです。
エクセルで部品表を書いていれば、総計算する
SUM関数を用いてなお速く計算できます。
2.放熱の対策が必要かを見極めます。
制御盤の大きさと総発熱量から放熱対策の判断がつきます。
制御盤自体が放熱します。
大きさがわかればどれだけ放熱するかがわかります。
下記の計算式で
制御盤判定放熱量=機器の総発熱量-制御盤放熱量
負の時に単体で放熱が可能となります。
正の時に空冷で放熱か、強制で放熱するか決めていきます。
制御盤を設置する場所で、外気温度の目安がわかるかと思います。
そして、盤内温度を決めます。
JEM1226に配電盤,制御盤の使用状態に規定されていますが、
外気温度を30℃,盤内温度を40℃が一つの目安となります。
3.ファンの配置を決めます。
FANの設置を参照して下さい。
4.通風口の面積を決めます。
開口の面積が大きい程、ファンの大きさが小さくてすみます。
既製品を使用すると制限がありますので、
ファンの大きさと開口の面積を繰り返し検討していくようになります。
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■ 同じ図面かどうかチェックする方法
同じ物件の図面を修正する時に、本当に同じ図面であるかどうか
不安になる時があります。
図面が同じかどうかチェックしなければいけない状態に遭遇しました。
ひとつひとつチェックしてマーカで塗りつぶしていくのも
良いかもしれませんが、時間がかかります。
紙であるならば、2枚を重ねて天井の蛍光灯にかざします。
透けて見えるので、違いが分かります。
やっかいなのは、天井をかざしているので回りの人に
不審に思われないように気をつけましょう。
CADデータがあれば、比較するデータをCOPYして張り付し、データを重ねます。
違いがあれば人目でわかります。
CADデータがあれば、CADの方が、確実です。
ケースバイケースで最良の方法を選択して下さい。
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■ FANの設置
正面扉にFANを設置する場合は、気を付けましょう。
背の高さと同じであると風が、当たります。
なるべく制御盤の上の方に設置しましょう。
また、風向きにも注意が必要です。
高さに気をつけても、風向きが下にすると風が当たります。
但し、上向きにすると、埃や水滴が上から落ちてくるので
盤の中に入り込んできますので、注意が必要です。
天井に設置した場合も、同様ですが、
その場合は、FANの上にカバーて対策すると大丈夫です。
その時は、風量をカバーでさえぎらないためにファンの直径分は、
距離をおきましょう。
盤の側面に設置できれば、一番良いです。
作業する人に、ファンの風があたる心配をしないで済みます。
しかしながら、盤の横に更に連結する場合や、壁などある場合は、
設置不可能です。
盤の裏に設置した事がありますが、盤内の電線ルート,中板の形状が
変更になります。
設置場所の長所、短所を書きましたが、
ケース・バイ・ケースで考えて頂ければ幸いと存じます。
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■ CAD 入力を速くするコツ
CAD 入力を速くするコツは、入力を少なくする事です。
言い換えれば、
始めから一から描かない事です。
キーワードは、「コピーして貼り付け」です。
全く同じであれば、そのままファイルごとコピーします。
同じ訂正箇所があれば、一つコピーして貼り付けていきます。
その時
AutoCAD LTを二つ起動します。
左を元になる図面を開き、右に訂正する図面を開きます。
元になる図面の箇所を範囲して基点コピーします。
そして、右に開いた図面に貼り付けていきます。
1クリックで変更ファイルに飛ぶ事ができます。
文字の変更であれば、連続で置換していきます。
置換方法を参照して下さい。
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